有栖はと言うと、少し具合が悪そうだ。

“用事”に何か関係あんのか?

話は終わり、練習も順調に進んでいた。

有栖の知り合いは全員、男女問わずキャーキャー言われていて、大活躍だ。

それはもちろん、俺たちもだが…いや、俺たち以上だな。

今だって…


「りーやぁぁぁ!!!!いけぇー!!!!」


「負けんなぁ!!!!直月!!!!」


「美那ー!!!!負けるなあぁー!!」


鼓膜がしにそうだ…。

てか、有栖はなんであんなに涼しそうなんだ!?

さっきから一度も休憩とってねーし…。


〈そろそろ交代の時間でーす〉


青団と白団が場所を入れ替える時間になり、ぞろぞろと動き出した。


「朝都ー、行こーぜ〜」


「先行っとけ」


「ふーん?あいあいさー」


まだ開けていないペットボトルを手に取り、有栖のところへ行く。


「有栖」


友達と楽しそうに話していた有栖の頬にペットボトルを当てる。

「ひゃっ」と声を上げた有栖。