身をもって知っているからこそ、この人のことを放ってはおけない。


「先輩、私と友達になりましょっ!」


こうして、話しているだけでいっぱいいっぱいだ。

さっきから、胸がドキドキしていて、先輩に聞こえていないかが心配だ。

先輩も3年、美那達も言っていた。

私ももう、来年には3年になる。

…18歳。嫌でも社交界に出なければならない年。

お見合いも出てくるだろう。

体育祭の前に、先輩に、この思いを、伝えよう…。

それまでは、ただの友達で、先輩の居場所にならせてください。

こんな我儘な自分に好かれて、先輩が可哀想になる。


「…っ!こちらこそ、よろしくお願いしたい」


好きな人に、こんな事を言われて、嬉しくない人は居ないんじゃ無いかな?

居たら、名乗り出て欲しい。


「はいっ!もちろんです!」


手を差し出され、緊張しながらも、握り返した。

今日は手、洗えないなぁ。

お互い握った手を見ながら、私はーーーーー。