そう言い残し、去って行った優里亜さんの背中をただ、呆然と見ていた。

…あれ?この状況…

先輩と2人っきり!?


「はぁ、面倒くさいなぁ。…とりあえず座れ」


先輩は自分の隣を叩いた。

えっ、と…


「し、失礼、します…」


「俺と優里亜は生き別れの兄弟。これは知っているな?」


コクリと頷く。

さっき聞いたのが確かなら…


「深刻な話しじゃねーから、力抜け。俺達が産まれてすぐに、親は離婚した。俺は父さんに優里亜は母さんに。離婚の理由だが、ただ父さんが母さんをこれ以上、家のことで悩ませたくなかったからだ。財閥の人間ともなれば、周りの目は厳しい。それに、母さんは元々病弱だ。…父さんは、手放したこと後悔してたがな。」


そう、なんだ…。

私と蓮耶みたい。


「……すまなかった」


いきなり頭を下げた先輩に、戸惑ってしまう。

な、なんで!?

なんで謝られてるの!?


「この前、冷たくして…」