「げっ、梵木じゃん!」
なんと柚和くんが助けてくれた。
もしかして、柚和くんの知り合いとか?
「何も頭叩くことね―じゃん!」
「優しく撫でてあげたの間違いじゃない?」
「いや、バシッといっただろ」
「たぶん気のせいだよ」
「ってか、お前風紀委員だっけ?」
「そうだよ。風紀乱してると僕がきつーく注意するからね」
「まてまて! 俺はこの先輩が可愛いと思って声をかけてただけで――」
「へぇ……。じゃあ、そのゆるんだネクタイを僕がちゃんと締め直してあげよっか?」
「やめろやめろ! その笑顔が逆に怖いぞ!」
「そうかな?」
「いつもの穏やかな梵木はどこいった!」
「僕はいつもと変わらないよ? ほら、当番の邪魔になるから真面目な安藤は早く教室行こうね」