柚和くんにとっては、別に好きじゃない相手でもキスできたりする……のかもしれない。
なんてことをグルグル考えてたら。
「うわっ! な、なんですか!」
急に見知らぬ男の子の顔が、視界に飛び込んできた。
な、なになに。
いきなりすぎてびっくりなんだけど。
「キミ今日の風紀委員の当番?」
「そ、そうですけど」
「わー、じゃあ俺が風紀乱したらキミが注意してくれんの?」
うわぁ、厄介な男の子に絡まれちゃったよ……。
無視しようにも、この場は離れられないし。
「ってか、よく見たら先輩じゃん! えー、こんな可愛い先輩いたんだー」
「あの、えぇっと……」
「めちゃくちゃ可愛いっすね! あとで連絡先とか教えてくださ――いてっ」
「おはよう、安藤」