柚和くんの身体に覆われて、自然と抱きしめられるかたちになる。


キスのせいかわからないけど。


柚和くんの腕の中にいると、前よりもっと異常なくらいドキドキして心臓が大変なことになる。


* * *


学校に着いて、すぐ門に集合。


はぁぁ……今は挨拶運動してる場合じゃないのに。


それに登校してくる生徒の制服までチェックしなきゃいけないなんて。


こっちは今それどころじゃない……!


わたしと同じく門に立ってる柚和くんは、優等生を演じながら爽やかにみんなに挨拶してる。


やっぱり悩んでるのはわたしだけ。


でもキスしたからって何か変わるわけじゃない……か。


わたしの中でキスは好きな人とする特別なものって思ってるだけで。