…指輪―――…


「僕の気持ちなんだ。前に言ったことは嘘じゃない、本気だよ」


ポロポロと涙がこぼれて止まらない。


「20才になったらって決めていたんだ…
好きだよ、かな」


先生、先生、先生―――――



驚きと喜びとあの時と一緒……だけど、あの時よりも喜びははるかに大きくて―――…



「―――――…ンせい、先生、好きです――…」


「!!」


「今…かな、声出たよ!!話したよ!」
「…先生…私話してる?先生と話してる…?」

「うん、してるよ、かな。
今僕と話してる」


「先生!!」

先生の胸に飛び込み、もう涙が止まらない。

奇跡が起こった20才の奇跡。



ありがとう先生、
ありがとうお父さん、
ありがとうお母さん、


ありがとう、
ありがとう、

ずっと言いたかったの、



『ありがとう』

――――――かな。