ちょっとドキドキしながら診察室に入る。
もう20才だから親は来ていない。
小さな病院だから看護婦さんも2人だけ、受付と他の人の看護で忙しそう。


先生と対面していつもの診察椅子に座る。

「かなちゃん、今日はね……」

声が出ないからいつも先生は私の目を見て手を握るの、ちょっと緊張してる…

あれ…?でもいつもよりもちょっとまじめ?

いつもと空気が違う、なんて思っていたら気付くとあたたかい先生の腕に抱き寄せられていた。


「好きだよ、かなちゃん」

―――――…え?
………えっ?
…えっ!?