里美に手を振って、背を向けた。きっと私はもう里美と会う事は勿論連絡を取る事も無いだろう。それは判っていた。それでもいい。里美と言う存在がそこに居る事で、私の勝手だけど。それでいい。



 今、無性に、克己に会いたかった。
 けれど、もう、克己の両親があわせてくれなかった。

 当然だ。

 私は、克己を刺した。

 それは変わらない。
 私の体も、もう元には戻らない。


 例え、佳耶達の所為にしたって、

 私が人を刺したことも。

 見知らぬ大勢のおじさん達に体を売った事も。
 自分の子供が死んだことも。
 それを喜んだことも。


  何一つ、




     消えない。