償えと?
罪を償えと言うの?
その怪我は、私の所為だと言うの?
そんな事知らない。
私は克己なんか刺そうとしていない。
克己が勝手に里美を庇ったから悪いんだ。
静かに私を見ている克己に、悲鳴のように叫んでいた。
「私の所為じゃない。私の所為じゃない!」
「うん。解ってる」
思いもしない返事だった。
「君の所為じゃない」
私はそのまま、泣き崩れてしまった。顔を覆った私を、その胸に抱えるように、頭を撫でてくれた。
逃げる事も出来ずに、私は、すっかり甘えていた。克己の胸に縋るように甘えて、私はやっと、もう、やっと、全てを吐き出すように号泣していた。
「きみのせいじゃない」
何度も繰り返してくれた。だから、私は。