「最善は尽くしたのですが…」


「何でですか？！患者を助けるのが、貴方の仕事じゃないですか？！すぐに病院に運ばれたし、何かできたんじゃないですか？！」


「………」


「翼を…助けてください！！私の命より大事なんです！！！私は死んだって構わない……でも、翼は…！翼だけは、だめなんです！」


「もう、どうしようも……」


「私の…私の心臓を移植すれば…！そうすれば、助かるんじゃないですか？！」　


「いえ、そんな事は…」


「私の事は考えなくていいので！！！できるでしょう？早くお願いします！！」


私が、そう必死な思いで先生に問いかけていた時私を呼ぶ声が聞こえてきた


「奈々…！！」


その声は、お母さんだった


「奈々！！！もう止めなさい」


「お、母さん…、止めないで！私のことは良いの！翼が助かれば！それでいいの！」