「私はいいので!翼を!彼を!早く助けて下さい!」


「わかりました。すぐに連れていきますので、付き添いをお願いします」


そうして、病院へと行ったその間も、私は翼の手をずっと握っていた


「翼なら、大丈夫…。いつもそうだもん。そうだよね…。翼……!!」


呪文のように私はずっと、翼に問いかけていた


「心肺停止の状態です!!!心肺蘇生を早く!!」


「翼!!!目を開けて!!翼……!!」


集中治療室へ行っている途中も、私は翼の手を握って必死に話しかけていた


しかし、どんなに大きな声で呼びかけても、どんなに何度も同じことを繰り返しても翼が目を開けることはなかった


そして、翼は集中治療室へ…