「泣かないで。」

貴方は、私にハンカチを差し出した。

私は拒否した。

貴方のそのハンカチの香りとふと同じ香りがした時に、いつか貴方のことを思い出してしまうから。

「良いんだよ。使って。」

貴方は優しい。

でも今は、貴方の優しさが胸に沁みる。