俺の嫌な予感は見事的中してた…。

ちょこ逃げてねぇか?

小さな相棒は公園内を凄まじい勢いで走り回っていた。
楽しそうに吠えながら走る姿がちょっとだけ可愛かった。
…オスだけど。

俺の近くに来たから捕まえようとしたのに、ちょこは逃げる逃げる。

どんだけ元気なんですか…。

しかたないから俺もバリバリ走ることにした。
犬に負けてたまるか!
元サッカー選手だし…。
って言っても、まぁ中学と高校時代GKだっただけなんだけど…。
とりあえず負けたくなかった俺はいつの間にか、着ていたジャケットを投げ捨てて本気になっていた。

そばでは、里沙がそんな姿を見て優しい笑顔になっていた。
ちらっと目が合った時に少し恥ずかしくなったのは俺だけが知ってる事実。