「お見舞い。来てくれてありがとう」
「ううん。僕の方こそ」

僕が来たくて来ているのである。でなければこのデートも、恋人としての関係も成立しない。

ハルカはこの病院に閉じ込められた小さい鳥だ。守ってやらねばと、僕は騎士のような気持ちになった。

「そういえば」
最近ずっと気になっていたことを切り出した。

「検査の結果、どうだった?先週にはもう出ているだろ」
この愚かな問いかけに、彼女が少し寂しそうな顔をした。その表情が全てだった。聞くまでもない。

初めて会った売店では歩けていた棒のような足も、もう車椅子なしでは行動できなくなっていた。日に日に細くなり、皮膚が乾き、髪の毛が薄くなる様子から、体調が改善に向かっているとは思えなかった。