自分がしたことを認めて謝罪することが、こんなに怖いことだなんて知らなかった。


「自殺したときに千秋の姿を見たんだけど、みんなは?」


奈穂が聞くと、それぞれが頷いた。
やっぱり、みんなの夢の中にも千秋が現れていたんだ。


「千秋は私の傷口を指差して『それが私の痛み』って言ったの。すごく怖くて苦しくて痛くて、本当に死んでたらと思うと全身が冷たくなった」


奈穂は自分の体を抱きしめる。
その時の恐怖は今でもまだ鮮明に思い出すことができる。


「だけど、私達はこうして生きてるし、会話することで安心することもできた。でも、千秋は? 千秋はまだ1人で入院してて、安心することだってできないんじゃないかな?」


千秋はまだ1人で苦しんでいる。

痛い痛いと叫んでいるかもしれない。
そう思うと居ても立っても居られない気持ちになった。