「あら、そんな顔してどうしたの? 試食がなかった?」
夕飯を作っている最中の母親がすぐに奈穂の変化に気がついた。
出かけるときには機嫌が良さそうだったのに、今はとても暗い顔をしているからだ。
「ううん、あったよ」
答えながらエコバッグから牛乳を取り出して冷蔵庫へしまう。
「じゃあなにかあった?」
「あのねお母さん……」
そういいかけたけれど途中で口が止まってしまった。
ここで本当に万引を目撃したことを話していいんだろうか。
話せば、なにか恐ろしいことが待っているような気がして言えなくなってしまった。
「どうしたの?」
「……ううん、なんでもない!」
奈穂は結局なにも言えずに、母親からなにか質問をされる前に自分の部屋に逃げたのだった。
夕飯を作っている最中の母親がすぐに奈穂の変化に気がついた。
出かけるときには機嫌が良さそうだったのに、今はとても暗い顔をしているからだ。
「ううん、あったよ」
答えながらエコバッグから牛乳を取り出して冷蔵庫へしまう。
「じゃあなにかあった?」
「あのねお母さん……」
そういいかけたけれど途中で口が止まってしまった。
ここで本当に万引を目撃したことを話していいんだろうか。
話せば、なにか恐ろしいことが待っているような気がして言えなくなってしまった。
「どうしたの?」
「……ううん、なんでもない!」
奈穂は結局なにも言えずに、母親からなにか質問をされる前に自分の部屋に逃げたのだった。