血圧の心配は去りオジジは夕食を取る、お醤油や食卓塩&ドレッシングは姿を消していたドドンと積まれた生野菜
塩気の無いお刺身には
レモンがそえてある
食欲も失せたオジジは頭を抱える
「まるでヤギの餌だな」
白ヤギが食べるように
野菜をバリバリと波打つような口でほうばる
アレ
「なんだこれは」
アイスプラントを口にした途端オジジ様のにぎったフォークが止まる

「アイスプラントですよ、おいしいですか」
厨房も気を利かしてわずかだが野菜のアクセントにいれてくれたのだろう
「お爺様私もおなじですけど
食材の味になれたら美味しいですよ」

とミオが微笑む

「う"ウムム」
「君はわかいのに?
高血圧か?」
「たまたまです具合が悪くてずっと寝不足でなんかの拍子に血圧上昇したみたいです、その後は120の70です
手術してからは落ち着いて薬ものんでいません、でも用心の為塩気はあんまり取らないようにしています。」

「そ、そうか手術?」

「えへへ、なんと腸が破れてたみたいで腸痛かったですナーンテネ」


「そりゃー大変だったね」

「はいでも会長は高血圧だけですしストレスにならないように一品だけ軽く塩気を使うようにされては?
ナトリュウム不足もいけないらしいので」


「おおうそうか!!」

「1日10g超えないように注意が必要ですけど」

「そ、そうか꜆꜄꜆わかった」


会長はやや納得したみたいで、ミオも松前も安心する。



陽向汰は葵と松前の話していたオジジの余計なお世話が気になって気になって仕方がない
オジジの部屋をのぞくとオジジが電話をしていた

「Hello, please put Eddie on the phone.」

その声を聞いた陽向汰は慌てておじいに駆け寄る


I'm just here to hang
out.
おばば様の声が聞こえ


「オジジ何やってんだよ、」
おばば様は
「まあ陽向汰じゃないエディになんかようじがあるの?」
おばば様は興味津々に聞いてくる
オジジは携帯をスピーカーにする癖がついている年寄りにはスピーカーの方が聞き取りやすいし
喋りやすい。


「おばば様エディは電話に出さないでくれ
俺の一大事なんだよ」
陽向汰の必死な声に

「何かわからないけど分かったわ後で説明しなさいな」
おばば様の声を聞くなり
うんうんと頷いて電話を切ったがうんうんは多分伝わっていないだろう。


「エディをミオに近ずけない方法?」
葵は眉間に皺を寄せながら
「一つだけ絶対と言う方法があるゾ」
もったいぶりながら呟く

「絶対か!!おしえろ」

「しかしそれはお前にとっては最悪で最高の事になるぞ」

.......エッ??

「これしか方法はナイ
ミオも子供欲しがっているし
エディも身を固めて家庭を欲しがっている
しかもミオは家庭向きエディはイケメン高収入しかもオジジが進めるほどの人格者
オジジもミオを気に入って近くに置きたがってるWin-Winじゃないか!!」


「その絶対の方法って
マッ!!マサカ……」


「そうだ!!お前が先にミオと婚約か結婚それしかない!!
それが嫌ならミオは諦めろ」

絶体絶命逃げ場のない方向に押しやられ陽向汰はガクガクと膝を着いて崩れ落ちた

「ハァーアアー」
陽向汰はうずくまり頭をガシガシかいた!

葵はそんな陽向汰にニヤリとして声をかける
「大丈夫だ
女は沢山いるミオぐらいの女なら探せば見つかる、ミオにこだわらなくても大丈夫だろー」


その言葉に葵の胸元を掴み陽向汰はさけぶ

「💢💢いねーよ
ミオ程の女はいねーえから悩んでいるんだよ💢💢」

💢💢「ンなら!!ちゃんと捕まえておけ!!
女一人にグジグジしてんじゃねーぞ!!
倉科家の跡取りだろーが!!
そんな決断の遅いお前が会社のトップになれんのかよ!」

「んだとーガツン👊🏻」
「やりやがったなー👊 がツーン」
ハァハァドタンバタン
葵と殴り合いを始めた

「ヤレヤレとめますか?」

「いやほっておけ
血の気が多いのは
倉科の血統だからな
あれくらいないと会社は潰れる」


「そうですね会長も昔は中々のドンでしたから」
松前は遥か昔を懐かしむようだった

「そうだったかなぁ
」大吉もバツが悪そうに微笑む

「陽向汰様は一夫多妻制の国に生まれるべきだったのでしょう
一夫一妻制の国で妻を一人に決めるお覚悟がないのでしょうね」
と松前は呟く
一夫多妻制の様な生活をする父親を見て育って来た陽向汰には受け入れ辛い日々が待っている、世の女性は父親の様な生き方を嫌う女性もいる事を身に染みて気づいたのだ


「こりゃ追い込みかけるか、このままじゃ埒があかない」

「私も同じです
早く陽向汰様の跡継ぎを見ないと行く末がしんぱいです」

「松前は誰を押す?」


「はい日本語が堪能でおだやかな
スチュアートなんかいかがでしょう
陽向汰様と葵様はエディと思われております
私もそう提案したい所だったのですがよくよく考えたら葵様とエディは良く知る仲で葵さまの邪魔がはいるかとそれにエディはミオ様と歳が近い、もっと包容力のあるスチュアートが良いのでは?恰幅も良いし剣道も三段の日本通です」

「ん?何処の所属だ」

「確か営業部長だったかと歳は33丁度ミオ様にはお似合いかと」
陽向汰が動かないならミオには良縁をと思う大吉の想いだった。
どっちに転んでも構わない男子孫ばかりの大吉にはやはり女の子の孫も欲しいと思うこの頃、大吉はミオを気に入ってしまった。
ミオは理想の孫娘の様な存在に思えて仕方がない。

「よし‼️スチュアートを呼べ婆さんに内緒でな、会長命令と伝え
すぐ日本に来るように言ってくれ。」


「分かりました」
会長命令とあれば、なにはともあれ駆けつけるはず、
年寄りとは暇もあるから思いついたら即行動

仕事の早い松前とせっかちな大吉とは名コンビ話は直ぐまとまった。松前は即会社に連絡を入れる

その三日後

「えぇえーーーマジか」
日陽向汰も葵も素っ頓狂な声を上げた。

「はい、会長がTVを見られていて思いつかれたようです。」

「は、28、歳以上で独身を集めてダンスパーティ?」

「はい社交ダンスの出来る人限定だそうです既に社内いっそうメールでながしたそうです
(クフフ私が流したのだから間違いない)」


「踊れない奴は?」
陽向汰は眉間に皺を寄せながら聞いた。

「参加資格はないそうですよ」

「ベルバラじゃあるまいし俺は不参加だ!」
アッサリと不参加宣言をする陽向汰に
「分かりました会長に伝えておきます。
ん、
でわ、私は用がありますのでブティック迄急がなければなりません失礼いたします。」

「松前も大変だなぁ
ブティック誰の服をかうのか?」
微かな疑惑を感じたがそこまでだった。

「ま、いいか」
陽向汰は持っていたペットボトルをクイッと開けたすると松前の携帯にニャンニャンニャンと響く着信音
松前はスマホを取り出し通話ボタンを押した