「今、ミオ何処にいる、帰った?
本当に今日はゴメン
映画の時間も過ぎたな」


「あ、あ"あ"別にいいよ
気にしなくてヘヘッ ს 」
・・・・微妙な空気がながれ
なんか気まず!


「じ、じゃあ又ね」
冬華の電話を慌てて切る
クリスマスのイルミネーションが光る中、ミオの前に突然陽向汰が現れたからだ。


ゲッ「陽向汰」
ミオは思わず駆け寄った認めたくは無かったが嬉しい気持ちだった。


「なんでここが分かったの?」
ミオが呟くと

「クリスマスは映画って言ってたろう、だから駅前から考えて
ここの映画館かなと山張ってた
アイツと行くつもりだった?」

図星を付かれてミオは呆然とする

その様子を見て陽向汰は
ハァ━━━━ッと深い溜息を吐きハンバーガショップの壁にもたれ掛かった。

その溜息にムカっときたが

「なに?あなたの彼女じゃないし別に浮気した訳でもないじゃない
クリスマスを楽しんで何が悪いの?」
とつい本音を漏らしてしまう。

「・・・俺はミオが彼女って思ってたんだ」

「へ?は?」
またもや陽向汰の意味不明な発言に反発しないでいられない

「W~確かに無料家政婦はしてきたかも でも彼女扱いなんて一回も無かった じゃない」

「え?家の事全部任せてたし」
「ああ、それな掃除?選択、家事一般ね」

「そうだ、俺の事、身の回り全部
他の女の子には頼む事しなかった
俺にはミオがいるからって させなかった
したがる女は沢山いたんだ」

👂は?👂"なんだってぇ~
お前何言ってんのと思ったが


「つまりデートは彼女とはしなく
セフレとするの?
家事一般は彼女の仕事?」


「まあ、うん、そうだな」

「その考えは変わらないの?」

「・・・変える?
どうして?」

「つまりセフレを改善する気無いって事?」


「セフレは必要だろ
妻として!!
海外にも着いてこなきゃ行けないし、子供だって育てなきゃいけない
俺の世話だって大変だぞ
その点海外に家が有れば安心だろ? 」


ハ?「何時も一緒にそれが夫婦ってものじゃないの?」

陽向汰は目を大きく開き
嘘だろみたいな顔をして仰け反った
嘘だろーはミオのセリフで呆れてしまう。


・・・


「ゴメン、陽向汰の考えにはヤッパリついて行けない陽向汰の事は大好きだったけど、コレからは上司と部下の関係だけで彼女なんて思わないで下さい」



「え?なんで❓」
陽向汰はミオの言ってる意味が分からないという顔をしていた

「ミオは俺がすきなんだろ
俺もミオが好きだ、だから普通だろ
付き合っていくのが、ちがうか?」


「・・・なら分かるでしょう
1人の人を愛し添い遂げる
妾やセフレなんていらないのよ!!
私にセフレがいたらゆるせる?」


「は?許せる訳ないだろ
女は身ごもるんだ
つまり俺の子供となる
責任や金、全部俺にかかって来る
しかも跡継ぎとなる
倉科コンポレーションの
CEOになるんだ、許せるか!!💢」


「じゃあ話は決まったわね
倉科課長」
ミオはそう言うとジングルベルの鳴り響く道を歩き出した。

陽向汰は道にうんこ座りをして頭を抱えていた

そんな陽向汰に惚れていた自分が情けない、正直まだ陽向汰には未練があるのかもしれない
項垂れた陽向汰でもイケメンなのだ

見てくれに弱い自分はやはりイケメン好き 都合の良い女丸出しの私を利用しない手はないと思ったのか・・・
扱い易いし自分の思うまま洗脳出来て・・・・・

「あー私にも王子様が現れないかな」
と独り言をつぶやきながらバックをクルクル回し回しスキップする
ミオは中々陽向汰を吹っ切れない事が身に染みて分かった
一番好きな人より二番目好きな人と結婚した方が幸せって誰か言ってたなぁ

しかし二番目好きな人って中々現れない。




「パパ、金曜日発表会があるから
来てよ」
あれは幾つの時だったろうかよく覚えていないが 久しぶりに家にいた父親に飛びついてお願いした。

「おう陽向汰
その為に帰国したんだ」
父親は満面の笑を浮かべ俺を高く抱き上げた。

母もいつになくキレイに化粧をして、にこやかに笑っていた

「よそのお家は毎日パパが居るのに 僕のパパは何故何時も居ないの?」

友達の両親と比べて自分の家が違う事に気づいて疑問を父親にぶつけていた。


「よそのお父さんはお仕事が
会社員なんだよ
お父さんは会社経営なんだ
沢山の人を抱えていて海を越えて
行かなきゃ行けない 海の向こうで仕事をしている 遠いんだ
だから陽向汰も幼稚園も遠いし通えない。だから離れて住んでいるんだよ。
もう少し陽向汰が大きくなったら陽向汰も分かるよ。」

それから毎年毎年長期休暇があれば父親の住む場所へ向かった、驚いたことに父親は海外で仕事に行く国に国に家庭を持っていた
しかし子供はいなかった

「いいか陽向汰
帰る家がある事は大事だ
父さんには7軒家がある その家を守る事も父さんの仕事だ しかし
母さんを一番大事に思ってる事を証明する為に子供は陽向汰だけだ」

そう父親は説明してくれた




「そうか!
父さんは特別なんだ
だから父親の子である俺も特別なんだ」
そう思ってしまった。

歴史上の君主は沢山の妻を抱えていた、それと同じだ!

それから俺は変わった父親を目標に沢山の社員を抱え仕事をするには勉強を頑張り体を鍛える必要もあった、跡取りな自覚も目覚めてきた
7軒の家を持つ意味も分かり7人の妻を養わなければ行けない人の7倍は働かなきゃいけない

父親の海外の妻達はみんな俺に優しかったしその国の言葉もシッカリ教えてくれた、俺は英語プラス7カ国語を話せるし国々に父親の家もあり皆母親そのもののように振舞っている

陽向汰ご飯よ 一緒に買い物行きましょう、行った国々にある家が外国の我が家

そしてそこが俺のその国の普通の家庭になる小さい頃から父親の内縁の妻達には母親と変わらぬ愛情をかけてもらった。

それが間違ってるとミオは言うのか
皆幸せなのに・・・
俺の母親は1人だけど7人いる
それも全部間違っているっていうのか?
全否定された気がした今まで生きて来た全てが壊れそうだ

「と言う訳だ」

優人と直人は顔を見合せ
「ハァー」
と深い深い溜息をついた

「陽向汰、ミオちゃんは普通の家庭に育ったんだ
理解しろってのが無理
諦めて違う女の子探せ多分中々見つからないぞ
お前の母親がレアなんじゃないか?」


「お前達もそんな事・・・
言うのか?
間違ってるって」


「は?日本は一夫一婦制だ
お前はそれも分からないバカなのか、重婚は認められていない」

「それは分かっている💢
だけど籍は入れていないが
家族なんだぞ」

「お前に嫌われるのを覚悟で言う
はっきり言ってお前の母親以外は
妾、愛人だ、やってる事は失礼だが母親も、愛人と変わらない呼び方が違うだけ
お前の親父に利用されている都合のいい女達だ
おまえの母親もそれに乗っかって
外国での生活
7カ国を跨ぐのは大変で他の女に目を瞑ってるだけだ
お金を握らせ父親はふんぞり返っているだけじゃないか!」

すると優人も言う
「やり方が間違ってるって事も無い、お互い利害が一致して上手くやってるのだからそれはそれでいい
しかしその考えを押し付けるのは
違うと思うぞ
その利害が一致する女を探せ
お前の父親がそうしているように」

「もう帰ってくれ」

テーブルに頭をうなだらせている陽向汰はドスの効いた声で叫んだ

優人は椅子から立ち上がりブレザーをピッピッと引っ張り前髪を後ろに流し
「直人」
とつぶやき直人の肩を叩いた

「言い過ぎたかもしれない」
直人もスッと立ち上がり
「又、遊ぼうぜ
ゆっくり考えればいい」

陽向汰の頭をクシャクシャっとなぜ回し二人は玄関へ向かった。

そうして二人は帰って行った。

胸糞悪く吐き出したい陽向汰は行きつけのBARに向かった
クリスマスイブだ街は賑やかに湧いていた。

「フンッミオぐらいの女は沢山いる。」
しかし俺の事を好きで尽くしてくれて料理も天下一品 味噌から作るんだぜ、それにアイロンも上手くて
ちょっとポッチャリ
デブじゃない 家事もこなしてビカピカ 部屋は何時もキレイ
「テキーラ オカワリ」

メガネをかけ黒服のマスター相手に愚痴る。
白髪の整った髪型をして柔らかく笑いながら「そうですか」と言いながら細い指でお酒をだした。
そして陽向汰を見ながら
「大事にした方がいいですよ
そんな女の子中々いませんって誰かに持っていかれてからじゃ間に合いませんよ。」

ジャズの音色が流れマスターの声も端々にしか聞こえなかった。

「どうしたのマスター」
一際明るい声に陽向汰が振り向く

「あれ?陽向汰先輩?ですよね」

「麗奈知ってるのかい
彼はウチの常連さんで倉科さんだ」


「やだあ
マスター
彼はウチの大学でも有名人だし時々大学のサークルに顔出してますよね、会えて嬉しいです」


麗奈は柔らかなミディアムヘアーに
緩くパーマをかけていて、まつ毛が長くパチパチとした丸い目をしていた


陽向汰は半目を開け眠そうにしている
「悪いね麗奈今日は人手が足りなくて 助かるよ
ありがとう」


「うふふꉂマスター
時給上げて下さいね」


「今日だけね」
マスターはにこやかに笑いながら言った。
麗奈がいるだけで店の雰囲気が変わるんだな
そう思った陽向汰は慣れない強い酒を飲んだせいかグッスリ
眠ってしまった。


「おや?」
マスターが陽向汰の携帯に気づく
眠った陽向汰のスマホがピカピカ光っていた「分かりました」
と返信が来ていた。






「陽向汰からだなんだろう」

"少し話し合いがしたい
俺の考えも間違ってるかもしれない
ミオの話も聞きたい
明日来てくれないか "


"分かりました"
とだけ返信をしたもうPM23:00
ミオは時計を見て普段しないパックをした