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それなのに........................



「『うん。ずっと起こしてよ』ってね、
晴くんに言われたの..................っ、」



今は、学校からの帰り道で。



親友の、
雪見つばき(ゆきみつばき)ちゃんと、
一緒に帰ってるところ。



「えっ、えーーーっ!
あっ、相澤先輩がそんなこと言ったの!?
桜乃、それ絶対脈ありだから!!」



今朝のことを全部聞いた、
つばきちゃんが、そう叫ぶように言った。



「ぅ、でも、晴くん、前に、女の人がね、
部屋にいた。親友の彼女って言ってたけど、」



..................年齢も学年も2歳差の私と晴くん。



いくら、〝親友の彼女〟だとしても。



どうしても、
〝可能性はゼロじゃない〟と、
心のどこかで、思ってしまうわけで。