だからすーちゃんってやめて、なんて思っているあいだには肩に置かれた手。

くいっと軽く引き寄せられて、体勢が崩される。

同じように近づく友利の顔。


あ……、これって……。


いっきに激しくなる心臓に耐えながら、ぎゅっと目をつむった───とき。



「ちょっ!!なんなの……!?なにしてんの!?離しなさいよ…っ!!」


「え、なにって。ヒーローからヒーローへの、ヒーローによるヒーローのためのエール」


「ヒーローヒーローうるさい…!恥ずかしいことしないでよっ!!」


「なにを今さら。俺の気持ち知ってるくせに」



すごい、さすが久賀くんだ。

嫌がる森さんに臆することなく笑顔で抱きしめてる…。



「あんたなんかっ、そーやっていろんな女に言ってんでしょ…!!クズっ、ゴミっ、クソ野郎!!」


「クチわっるー。…俺が昔から野球以外で考えてるとすれば、ワガママ女王様くらいだよ」



あのふたりの関係は幼なじみのようなものかと私は思っていたのだけど。

あの感じでは…、もしかするとそれ以上……?