私は心の中でぶんぶんと首を横に振る。いやいや、全然大丈夫じゃないでしょう。本人は「空き時間にプロテインバーも食べているから」なんて、けろっとしているが全然大丈夫じゃない。

「ちなみに、自炊とかって」
「出来ないし、やったことないから」
「そ、そうですよね。そんな時間ないですよね」

はは、と乾いた笑いが漏れる。心の中では汗がだらだらと滝のように流れる。

なぜ私はここまで人の不摂生な生活を本人以上に心配しているのだろうか。いや、この顔を目の前にしたら、誰でもそう思わずにはいられないはずだ。

でも、確かに一人分の食事を作るよりも惣菜や弁当を買う方が安くつく時もある。決してそれらがダメなんては思ってはいない。

便利な時代になったのだから、大いに利用すべきだとも思っている。私だって時間がない時は出来合いのものを口にかき込んでいる。