「俺の連絡先、入れておいたから」
「は?何で?」

思わずアイドルの目の前で「は?」と声が漏れる。

メッセージアプリを開くと、確かに「天音光春」の名前が表示されていた。

「????」と分かりやすく頭に浮かべる私の反応がお気に召したのか、彼は面白そうに口角を上げる。

「授業の度に、ノートの写メ送れるでしょ」
「あっなるほど。そしたら直接会わなくて済みますもんね!」

だから2人で会う場面を誰かに見られることがなくなる。

つまり、私が刺し殺される可能性が無くなるのだ。

「そーいうこと。良かったね、寿命が延びて」

休講とか補講の連絡があった時も連絡して。ということだったので、私は2つ返事で了承した。芸能人はきっと掲示板に行くだけでもひと苦労だろう。