「別にいらないから。見返りを求めるような人間に見える?」
「?・・・まさか。プライベートの時くらい、損得で動かなくても良いじゃないですか」

だからノート見せて欲しいと言われたら、いつでも貸しますよ。私ので良ければ。そう告げると、天音さんは何も声を発さないまま写真を撮り続けていた。

「貸して」
「何を?」
「携帯」

そして最後に彼はなぜか、私の携帯を所望したのだ。

無言の圧に押されるがままに携帯を渡すと、天音さんは「パスワード、解除」とまた私の手に携帯電話を戻す。

何をされるのだろう。

パスワードを解除しておずおずと携帯を渡すと、彼は我が物顔で扱いだした。

変な汗がたらたら流れてくる。いや、変な写真とか保存していないはずだけど。

「はい、どうも」

暫くして、やっと手に戻ってきた携帯。

「?・・・何をしたんでしょうか」

特に変わり映えのしない画面に首を傾げる。

すると天音さんは衝撃的なひと言を放った。