でも友達が出来たところで全部同じ授業を取るわけではないし、サークルには友達が居るからずっとひとりぼっちというわけではないのだ。

それに、来年からは殆ど大学に来る必要もない。今更一から関係作りをするのも正直面倒である。その点については天音さんと同志である。一から関係を持っていくのって、なかなか難しいものだ。

こんな時、アメリカで一緒に過ごした現地の学生が恋しくなるものである。あの良くも悪くもフランクな姿勢は、此処では少し浮いてしまうが。

「あっそ。別に年上でも年下でも俺には関係ないけど」
「・・・でっですよね!あはは、気にしないで下さい」

天音さんが私の事情なんて興味がある筈がなかった。

興味を失ったのか、気付けは彼は頬杖をついて携帯を眺めている。

危ない危ない。同い年だからと思って変に仲間意識が芽生えてしまうところだった。