「・・・福岡行き?」
「面白いですよね」

今思えば笑える話だが、当時は相当パニックになった。

うっかり屋さんの代表だと豪語できる母親が取っていたのは、なんと福岡直行便だった。
間違っていることに気付いたのはケネディ国際空港に着いてからで、その日の羽田行きのキャンセルを待っていたが運悪く取れなかったのだ。ステータスを持ってっいても全てが上手くいくとはとんだ馬鹿げた思考だっらしい。

「友達作りに出遅れて、行った時にはグループが出来ていたので、なんか、こう、混ざりにくくて」

翌日の朝イチの便を航空会社の人が手配してくれたが、もちろん入学式どころかオリエンテーションも欠席することになった。

故に同じ学部に友達が出来ずに今に至る。

「つまりタイミングを逃しました。あっだから天音さんと同い年ですよ。高校の関係で一年遅れで大学に入学しているので」

まぁ寂しいと言ったら嘘にはなる。