それから、1ヶ月が経った。

中々婚約をしない私に痺《しび》れを切らした両親は、もう一度婚約者候補の名簿を持ってきた。

沢山ある名前の中で、目に入るのはたった一人で。


「相馬 良輔」


両親はポツリポツリと話し始めた。