「こんな話聞かされたら余計にそう思いますよね」
「帝さんは本当にそれだけの為に温を追い掛けて菫まで来たんですか?」
「………分からない。ただ、温くんをポスターで見かけた時何とも言えない感情が芽生えた。この人を探したい。会いたいって」
その気持ちは運命の番に出会った俺にも良く分かる
理性や感情論だけで説明出来ない
本能がそう叫ぶ
だからこそ俺は運命に抗う
帝さんと正反対なことしていると思う
運命に抗う俺と
運命に従う帝さん
どちらが間違ってるという訳じゃない
どちらもアルファとしての行動だ
「本当は分かってるんです。こんなこと無意味だって」
それでも見捨てた父を見返したい
そう小さく呟いた