「温の為ですか?」
やっぱり帝さんは温を追い掛けてここまで来たんだ
運命の番だから
「……そうですけど何で和泉くんが知ってるんですか?」
この話は面接をした永和しか知らないということになっている
俺は面接をした永和から話を聞いただけ
聞いた上で雇うかどうか決めたのは俺だ
「菫は俺の会社なんです。だから面接したスタッフから話を聞いてました」
「は?」
「面接をしたのは俺の父で、この会社は俺自身が設立したものです」
「ちょっ……え?」
帝さんは明らかに動揺し始めた
「番の人や恋人、大切な人に贈る贈り物を作る会社を建てたいと思って設立しました」
「マジな話?」
「マジです」
「温くんとは?」
「温とは付き合っています。番っては居ません。それでも温に出来ることは全てしてあげたいんです」
ここまで話を聞いて帝さんさ盛大なため息を付いた