「いくら……用意すれば帰ってくれる?」

「温っ!!」

「お金なら渡すよ。その代わり二度と会いに来ないで」





オメガの前に僕は男だ

母さん1人守れない男になったつもりは無い





「100。明日取りに来るわ」





それでこの人と縁を切れるなら安いもんだ




父さんは大人しく家を出て行った




「温……どうして。あの人にお金なんて渡さなくていいの!!」

「大丈夫だよ。僕だって働いているんだし」

「それはあなたが頑張って貯めたお金なの!!あの人に使うなんて……」

「良いんだ。これで父さんと縁を切れるなら」






母さんは泣きながらごめんね、と何度も呟いた