善は急げ
応募の申し込み期間は決まっているから
早めに説得した方がいい
そう思い春永さん達と別れて真っ直ぐ帰宅
「ただいま…」
「今すぐ出て行って!!」
玄関の扉を開けると同時に母親に言われた
いや、正確には僕にではなく
「よぉ、でかくなったな」
「……と…うさん?」
何年も顔を見て居なかった父親だった
僕が幼い頃に離婚したから顔は何となくでしか覚えてないけど
「お前金稼いでるらしいじゃん」
「……だから?」
「親孝行だと思って少し貸してくんねぇ?」
離婚した原因は父親のギャンブル癖だ
僕が売れ始めたからお金目的に現れたのか
紫月くん達とこの人は同じだ
人を苦しめて自分さえ良ければ良い
だけど紫月くんの時はえっちゃんが守ってくれた
今はそのえっちゃんが居ない
僕が母さんを守らなきゃ