明るい日差しが降り注いでいた。
 天井まで届きそうな大窓から陽光が落ちている。

 それが目の前のまっ白い衣装に、得も言われぬ光沢を加えていた。

 豪奢なレースがふんだんに使われた格調高いドレス。
 襟元の精密な織りに始まって、ウエストから流れるような広がりをみせるスカートのライン。
 見る人を圧倒する煌びやかさがあった。それでいてシックにまとめられたデザインに魅了された。

 アーロンのお母さま、絶世の美女と言われたベアトリス・レブロン様がこの衣装でハインツ家に輿入れされたのだ。

 当日の晴れやかな式典とベアトリス嬢の心情が思いやられた。

 そして、わずか三歳の我が子を置いて他界しなければならなかった思いはどれほどだろう。
 残された幼いアーロンが母を求めて泣くことはなかったのだろうか。

 さまざまな思いがこみ上げてくる。