隊長はもう一度男を見た。

 小柄な自分より頭一つ上背がある、見下ろされた気になって、
「俺の名前はボスだボス、この斥候隊のボスでもあるんだ、わかったか」
 
「ボス・・殿か、覚えておきましょう」 

 その声に底知れぬ威圧感があった。
 生唾を呑んでもう一度見上げた。
 
 下級兵である斥候隊は、司令官のア―ロンの顔を知らなかったのだ。

 そんな彼らの周辺でアーロンの側近とその部下四十名が身を隠していた。


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