雲の切れ間から、薄明光線(はくめいこうせん)が降り注いでいた。

 天上の触手のような光りを浴びて、馬を疾走させる集団がいた。

 先頭はアーロンだった。
 側近中の側近五名が追随している。
 そしてその部下四十名が後を追っていた。


「アーロン・ハインツ様がいらっしゃいません!」
 衛兵が飛び込んできた。

 シュテルツは立ち上がると、
「よく探したのか、どこかの部隊と策を練っているのではないか」