彼らを追跡していた影が立ち止まった。
「湖への道を行くというのか」
 グリント―ルの斥候兵だ。

「あの側には例の洞窟があるぞ、もしあそこが見つかったら」

 目の前のバッハス隊は三十名ほどだ。
 自分ら斥候隊は十一人、洞窟を守ろうとしても太刀打ちできる数ではない。

「すぐ王宮に知らせるのだ」
 一人が背中の荷を下ろした。

 そこには鳥籠に入った伝書鳩がいた。