今ので結構頑張った方だと思うんだけど…!



思っていることを素直に口にするというのはこんなにも難しいものなのかと、改めて思い知る。



でも、なるちゃんは未だにちんぷんかんぷんらしい。



さっきからずっと首を傾げたまんま。



…これは、ちゃんと言わなきゃダメだ。



意を決して、恥ずかしい気持ちを我慢して口を開く。



「…な、なるちゃんのこと、男の子として意識しちゃってる…ってことなんだけど」



もう一度、なるちゃんの顔を見上げてみたら。



「…っ、あー…そういうこと?」



頬を真っ赤にしたなるちゃんが、そこにはいた。



え…っと、なに…?その顔…。



私の目が狂ってなければ、ものすごく照れてるし、ものすごく嬉しそう。



「…じゃあ、俺頑張ってもいい?」



「え…?が、頑張るって…」



何を?なんて、言わせてくれないのがなるちゃん。



「海琴のこと、本気で落としに行くから。覚悟しとけよ」



それはそれは食い気味に答え、ニヤリと笑った。



い……いやいやいや!ニヤリ、じゃないから!!



一瞬ドキッとしてしまったけれど、今のはきっとバグだ。



「待って待って、今までのは何…?本気じゃなかったの?」