そう考えてみても、私はやっぱり、今のこの状況は納得できなくて。

「美奈に何か理由があったのだとしても、それでも今、あの子がやってることって……彼氏である岡垣くんにとっては、気持ちのいい行動ではないよ」

目についた2枚のカードを、迷うことなくめくると、やっぱり今回も……。

「え?」

これまで余裕のある笑みを浮かべてきたキングの、驚く表情。

ずっと驚かされてきた分、ちょっと気分がいい。

「私、昔から運が良くて。こういうの当たっちゃうんだよね」

初手の2枚はスペードの6とクローバーの6。

「“当てよう”と狙ったりすると当たらないんだけど、目についたものを素直に選ぶと、結構当たったりするもんなんだ。絶対ではないけれど」

外れるまで自分のターンだから、続けてめくっていくと、残念ながら3回目で数字が違ってしまった。

「でも、これっていい事ばかりじゃないんだよね。ゲームのガチャでも、お試しの無料で当たりを引いちゃうから、出やすいんだなって思いこんじゃうの。それならまわしちゃおうと思ってダイヤを使ったら、全然当たらなかったり……」

最初から2ペアを作った私。

キングはあ然とした表情で、こっちの手元のカードを見つめている。

そして、何かを思い出すかのように視線を遠くへやって、つぶやいた。

「なるほどね。……どうりで」

「え?」

何に対しての言葉かわからなくて首を傾げると、彼は「いや、こっちの話」と言って、カードをめくっていく。