それから次にこの男に会ったのは、例のドラマの6話目を見るときだった。
ドラマは中盤、展開も大きく変わりつつあった。
6話までに4人の生徒が行方不明になり、いまだに犯人にはたどり着いていない。
この男と怪しい人物を考察していると、そこで挙がった名前は以前から出ている刑事、教頭先生の他に学校のOBや以前働いていた他校の先生まで出てきた。
ただまったくはっきりした証拠がなく、これからの展開が楽しみで仕方がない。
最近のこの男の家での過ごし方は、ドラマや映画を見て、一緒にご飯を作って食べるということの繰り返し。
それがとても居心地がいいのは確かだ。
この日も、ドラマを見終わってからいつものように2人して思う存分、時間を忘れるくらい考察を言い合った。
それが尊くて、かけがえの時間になっていた。