それから話も弾むにつれて、お酒も進んだ。

最近は楽しいことばかりで、こんな生活でいいのだろうかと思ってしまうほどに。

この日もとても充実していた。

そろそろお開きにしようかと思っていると、スマホが鳴って七海も着信相手に注目している。


「松葉絢斗?」


一緒にスマホを覗き込んだ七海が、着信元の名前を読み上げた。

こんなときにあの男からの着信だなんて、タイミングが悪いというかなんというか。


「出ていいよ。私のことはお気になさらず」


少し面白がっているような気もしたけれど、とりあえず電話に出てみる。


「もしもし」

「柚葉ちゃん、あのさ……ってあれ?今外?」

「そうですけど。今友達とのんでて」

「どこでのんでるの?もう帰るとこ?」