「じゃあ、あゆ次提出のプリントまだやってないし、そろそろもどるわ」
「……え、ここでやってったらいいじゃん」
「いや。カナ戻ってくんじゃん? 邪魔になるだろうしー」
いつも無理矢理夏向のことどかしてるくせになにを今更……!?
あたしが何かを言い返すより先に、歩夢は自分の席に戻っていった。
歩夢の言った通り、いつの間にか話し終わっていたらしい夏向が席に戻ってくる。
あたしは……なぜか、目が見れなかった。
こういうときは、鼻を見れば目が合ってる感を出せるって聞いたことある……!
実践してみたけど。……だめ、夏向の綺麗な鼻筋が気になって集中できない。
「なに百面相してんの、ひとりで」
「ななな、なんでもないよ!?」
あーもう!
怪しまれるに決まってんじゃん、そりゃそうだよ!
なんで急に顔みれなくなったんだ……?
いや、顔は見れるんだけども。