魔王様に手を引かれて、仄暗い回廊を歩いた。


朝だったはずなのに、宵のような……


あの深ーい穴は、地球の裏側に通じていた?


なら、ここは南米!?


それにしては、日本語と片言の英語しか話せない私が会話できてるけど……


はっ!


そんなことよりも私、パジャマ! 裸足!


他人のハロウィン衣装なんて気にしている場合じゃなかった。


「あの……」

「しっ! とりあえず僕の部屋に案内するからそれまでは黙ってて」


『僕の部屋』……


そこに行っても、私の服と靴はないですよね?


でも『僕の部屋』に行かなかったら、私の着替えが見つかるわけでもない。


こんなところで独りになるわけにはいかない。


そして今のところ頼れそうなのは魔王様だけ。


とりあえず魔王様に付いていくしかない。