リナさんがまたしても私に視線と笑顔をくれたので、今度は堪えきれず、私までニヨニヨしてしまった。


「ねえ、さっきから、ミクルはレオやリナと仲がよすぎない?」


何その、子どもみたいな発言……


「よすぎってことはないですよ。別に普通です」

「よすぎだよ! ミクルは僕の花嫁なのに、僕よりもレオやリナと仲よくなるなんてさー」

「それは、魔王様はお城に行っててずっといなかったからで……レオさん、リナさんとは今日一日でいっぱいお話もできたし……」

「えーっ、なら明日からここで仕事するー! 城には行かないっ」


そ、そんなこと言われても……


リナさん、助けてっ!


リナさんは『やれやれ』と言いたげだった。


「魔王様、格好悪いですよ。ミクル様の前では大人の魅力を見せましょう」

「えー……だけど、僕だってミクルと遊びたい」


リナさんのこめかみが痙攣した。


「私もレオも遊んでいるわけではありませんし、仕事もこなしています。ほら、駄々をこねていないで、そろそろ夕食になさいませ!」