「じゃあ、俺、ダイニングルームの準備してくる! 魔王様とミクル様はゆっくり来てよ」
レオさんは鼻歌を歌いながら消えていった。
どうやら機嫌がいいときに、あの歌(短調だけど……)を歌うみたい。
鼻歌が聞こえなくなると、今度はリナさんが口を開いた。
「魔王様、よろしいでしょうか?」
「うん、いいけど?」
「ミクル様に、追加でルームシューズと服を購入したいのですが」
「そんなの全然構わないけど?」
「ルームシューズは履き心地がいいものを選びたいので、少々値が張るかもしれません」
「いいよ、いいよ。ミクルが気に入るのにして」
リナさんがこっちに視線を寄越してニヤっとするから、笑いがこみ上げてくる。
「それと服は特注したいのですが、それも構いませんか?」
「うん。だけど、特注?」
「はい、サロペットという服を」
「さろ……ぺっと……? 何だろう?」
「出来上がってミクル様が着られるのを楽しみにしていてください」
「あ……うん……」