その通りだ。
リナさんは、私のために外出してくれた。そのあとも別棟を案内してくれたし、部屋のインテリアを選んでいる間もそばにいてくれた。
「大丈夫かな……」
「大丈夫、大丈夫。リナさんのレシピ見て作ったから。まあ、それに改良も加えてみたけど」
「その『改良』ってのが信用できないんだけどなー」
「ミクル様の好みがわかってきたから、それに合わせたんだってば! ね?」
レオさんが私に目配せを送ってきた。
悔しいけれど、私はまんまと笑顔にさせられてしまった。
でも、もういいか、と思えた。
「はい! 期待大です」
夕食は、動物性食品の臭いを消す工夫を加えてくれているに違いなかった。
お昼のシチューだって、お肉の臭み以外はパーフェクトだった。
だから、きっとおいしい。
「えっ、えっ!?」
魔王様が、レオさんと私を交互に見て、目を白黒させた。