そんなことを聞かれるとは思っていなかった魔王様は、わかりやすいほど狼狽えた。
「どういう……って、とにかくいいよ! あっ、ほら、ミクルは何たって僕のお嫁さんなんだから! 他の誰も着てない色を着るって、如何にも魔王の花嫁っぽい!」
うわー、全然うれしくない……
じとーっと魔王様を見つめた。
「あとは何だろ……ええっと、いいところ……いいところ……」
「あっ、それよりも夕食! 夕食にしねえ?」
私の視線を遮るように、レオさんは私と魔王様の間に入ってきた。
こういうときに、レオさんは魔王様を庇うんだな。
まだ2日目なのに何となくわかってきた。
レオさんは何だかんだ言って、魔王様ファーストらしい。
「今日は久しぶりに俺が作ったから、早く食べてほしいかなーなんて……」
「レオが?」
魔王様が軽く驚いた。
「だって、今日はリナさんが忙しそうだったから」