「壁紙のサンプルです。ひと部屋分くらいなら、種類がそれなりにあります」


大きくバッテンが書かれているものもあったけれど、半分くらいは残っている。


「あっ、素敵!」


ひと目で気に入ったそれは、スカイブルーで右端の一部がホワイトになっていた。


「えーっ!? 変じゃない?」


レオさんは声が裏返るほど驚いた。


「何でですか? 全然変じゃないですよ。これ、きっと青空に白い雲が描かれてるんですよ」

「天使とか飛んでそうじゃん!?」

「だから、いいんじゃないですか!」

「あいつらって、『うふふ』笑いながら弓矢をぶっ放してくるんだろ?」

「やだ! どんなイメージなんですか、それ?」

「小説とかで、ヒール役としてよく出てくるよ」

「ぷぷっ、ホントですか?」

「本気だって」


魔界では、天使ってそういう扱い?