「着心地もいいし、気に入りました。ありがとうございます。着るものは、これだけあれば充分です」
「でも、もし不足が出てきたときは、どしどし言ってくださいね。支払いは魔王様ですから、遠慮は要りません」
リナさんが『ふふ』っと笑った。
どんな小さなことでも、遠慮しないほうがいいんだろうな。
私にも、別棟の人たちのことが段々とわかってきていた。
「それなら安心です……あっ、急にサロペットパンツがほしい気がしてきました。レオさんの掃除を手伝うのによさそうだし」
「サロペット……とは、どのようなものでしょう?」
机の上にメモ帳とペンを発見した私は、絵を描いて説明することにした。
「ストラップと胸当てがついてるパンツで……」
「こういうものは見たことがないですね。さっそく特注しましょう!」
「あと、楽なルームシューズもほしいです。スリッパはすぐ脱げちゃうし、ブーツは長時間履いてると蒸れてくるから」
「では、とびきり上等なものを探します」
「魔王様に買ってもらえるんですもんね!」
私とリナさんは目を合わせて、クスクス笑った。