お肉を除いてシチューを完食したとき、リナさんが帰ってきた。
「ただいま戻りました」
リナさんは私のために、衣類と編み上げブーツの入った袋をいくつか抱えて帰ってきてくれた。
「全て一度試着してみてください。服と下着類は取り急ぎ3着ずつ用意しましたが、ご要望をうかがってから、あともう何着かご用意します」
そこで私は、試着のために自分の部屋に上がった。
リナさんが私のために用意してくれた服は、予想に反して明るい色が多かった。
パステルカラーは1着もなくて原色ばかりだったけれど、それでも人間の私のために、と特別に選んでくれた色なんだと思う。リナさんの服や、あのファッション雑誌の中では見なかった色だから。
デザインもごくシンプルだから着やすくて、部屋着としてちょうどいい。
下着だけは全て真っ黒で、16歳が着るにはハードルが高いけれど、仕方がない。そこは大人の階段を上ってみようじゃないの。