魔王様の魔力……
私は、それが込められているはずの自分の指輪を見た。
「じゃあ、これがあれば?」
「ええ、警備システムを通過できます」
だったら……
「私もリナさんと一緒に行ったらダメですか?」
思い付きで発言してしまったけれど、それはどうやらリナさんを困らせてしまう内容だったらしい。
「それは……魔王様に聞いてみないことには……。ですが、聞いたところで難しいと思います」
そっかー。警備システムを抜けられて、私の身を守ってくれる指輪があっても、やっぱりダメなんだ……
ダメ元で聞いてみただけなのに、急に行きたかったような気がしてくる。
「ミクル様が人間ということがバレると、恐らくマズいことになります。魔族との関わりはできる限り避けるべきでしょう。魔王様がいればうまく偽装してもらえますが、私ではとてもではないですが……」