友達どころか、家族もいないに等しいってこと? 心を許せるのは、レオさんとリナさんしかいない?


「可哀想だと思ってくれる? だったら仲よくしてあげてよ」

「で、でも、具体的にどうすれば?」


私はすっかり仲よくする気になっていた。


けれど、その方法がわからない。


「そうだなー。昨日みたいに自分の部屋に篭ったりしないで、なるべくこの部屋で過ごしててよ。そうしてれば魔王様と会話する機会もできるし、自然と仲よくなってるんじゃないの?」


なんだ、そのぐらいなら……


私だって魔王様とはうまくやっていきたい。というか、うまくやっていかないと魔界では死活問題だ。


「……やってみます」

「ありがと。実は魔王様、昨日からミクル様のこと心配しつつも、ちょっと浮かれてるから」


心配してくれてたのは知ってる。でも……


「浮かれてる?」

「うん。自分の家族になってくれる子を別棟に招くことができて。必死で隠してるけど、残念ながら俺にはわかっちゃうんだよねー」


レオさんは『くっくっく』と楽しそうに笑ったけれど、私は恥ずかしくなってしまった。